
「不妊治療」と聞くと、どこか特別なことのように感じる人はまだ多いかもしれません。 でも、いまの日本では 約4.4組に1組が不妊検査や治療を経験し、10人に1人の赤ちゃんが不妊治療によって生まれている時代になりました。
これは、不妊治療そのものが、私たちのすぐそばにある“日常”のひとつになっているということです。
ただ不妊治療は、身体的にも精神的にも、そして経済的にも負担の大きい治療です。 その中でも「費用」は、多くの人が治療をためらう大きな理由のひとつです。しかし、2022年の保険適用をきっかけに、治療費の負担は大きく変わり、コスト面でに身近な存在になりました。
今回のコラムでは、不妊治療を知るきっかけになる第一歩になるような、昔と今の費用の違いや、国の助成制度に加えて、東京都の助成制度をご紹介したいと思います。
保険適用で不妊治療の費用は大きく軽減

①体外受精(IVF)
| 時期 | 費用の目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| 昔(保険適用前) | 40〜60万円 | 工程ごとに追加料金、先進医療で+10〜20万円、助成後でも20〜40万円の負担 |
| 現在(保険適用後) | 10〜20万円(3割負担) | 工程ごとの追加料金も保険内、自治体助成で実質10〜15万円前後になることもあるので、自治体にも確認しましょう! |
②顕微授精(ICSI)
- 昔:50〜70万円(助成後でも30〜40万円)
- 今:12〜25万円(3割負担) → 昔の半額以下になるケースも!
③人工授精(AIH)
- 昔:1〜3万円
- 今:3,000〜9,000円 → 1回あたり数千円に軽減しました。
| 治療内容 | 昔(保険適用前) | 現在(保険適用後) | 負担の変化 |
|---|---|---|---|
| 体外受精 | 40〜60万円 | 10〜20万円 | 約半額以下 |
| 顕微授精 | 50〜70万円 | 12〜25万円 | 大幅に軽減 |
| 人工授精 | 1〜3万円 | 3,000〜9,000円 | 約1/3 |
以上のように、昔と今の費用を比較すると、大幅に負担が軽減していることが分かります。治療を重ねるほど、この差はとても大きく感じられるはずです。
医療保険に加入している方は、医療保険が適応するケースもあるので、保険会社や契約内容を確認してみてください。また、不妊治療をはじめる前の方は、女性疾病の保険内容を見直されることをお勧めします。
東京都の助成制度について

保険適用に加えて、各自治体ごとに独自の助成をしているケースがあります。今回は東京都の助成制度についてご紹介いたします。
① 東京都特定不妊治療費(先進医療)助成
保険適用の治療と併せて行う先進医療の費用をサポート。
対象例: SEET法/タイムラプス/ERA/EMMA/ALICE/PICSI/IMSI/二段階胚移植/マイクロ流体精子選別/PGT-A など
- 保険診療と併用した場合のみ対象
- 単独の先進医療は対象外
② 東京都 不妊検査等助成事業
不妊検査や一般不妊治療(人工授精など)にかかる費用をサポート。
- 1組につき上限50,000円
- 夫婦のどちらかが東京都在住でもOK
- 妻の年齢が検査開始時点で40歳未満
- 事実婚も対象
③ 東京都 不育症検査助成
流産を繰り返す方の検査費用を助成。
【2026年から助成がさらに拡充予定】
東京都は2026年4月から、 保険適用の不妊治療の自己負担分にも助成を広げる方針を発表しました。
- 1回あたり最大15万円
- 39歳まで:1人の子どもにつき6回(最大90万円)
- 男性不妊も対象
経済的負担がさらに軽くなるのは、本当に助かります。
最後に

不妊治療は、費用のこと、身体のこと、色々な思いに、迷いや不安がつきまとうものです。
昔は「1回50万円かかる」と言われていた治療が、 今では保険適用や助成制度によって、ずっと取り組みやすくなりました。とはいえ、治療を始めるときは、仕事との両立、周りの目、そして「自分だけが悩んでいるのでは」という葛藤もあるかと思います。
いまの日本では 約4.4組に1組が不妊検査や治療を経験し、10人に1人の赤ちゃんが不妊治療によって生まれている時代です。 そして不妊治療の先に、7万7千もの新しい命が生まれているというという統計があります。この数字が、事実として同じように悩み、迷い、前に進んだ人たちがたくさんいること、また希望を表しています。
まずは、不妊治療について知ることから、このコラムが、「助成制度のことが理解できた」 「次の一歩を考えるヒントになった」 そんなふうに感じてもらえるきっかけになれば、とても嬉しいです。
GISコラム 清
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