2062年。これはフィリピンの人口ボーナス期が終了を迎えると言われている年です。人口が増えるという事は、経済の発展に直結に繋がる国が多いです。つまり、フィリピンはあと約40年は経済が伸びる事が予想されています。なぜフィリピンはこんなにも成長見込みがあるのでしょうか。
人口ボーナス期・終了年は、国際連合およびJETROが出している統計データです。
人口ボーナス
フィリピンの人口の増え方は大変な勢いがあります。その主な理由としては、平均年齢が若い・海外からの企業進出および駐在員が多い・人間性が大変アグレッシブ・カトリックの国なため中絶が基本的にできない、など色々な理由が挙げられます。これほど人口が増える理由が多岐に渡る国は珍しいです。
- フィリピンの平均年齢は24歳(日本は48歳)
- フィリピンは日本の1970年代
- マレーシアは日本の1985年代。人口はフィリピンの1/3
- カンボジアも似てるが人口がフィリピンの1/6
人口ボーナス期の終わりに関しても、上記でお話させていただきました通り、2062年とアジアでは群を抜いてまだまだ先です。(人口ボーナス期については他の記事で特集してます)
- フィリピン=2062年
- ミャンマー=2053年
- マレーシア=2050年
- インドネシア=2044年
- ベトナム=2041年
- タイ=2031年
- シンガポール=2028年
なぜフィリピンが最も長く続くかといいますと、人口の大半が人口中絶を禁じているカトリック教徒という宗教理由や、親世代を子世代や孫世代が経済的に支える大家族主義というのが特に大きな理由です。
公用語が英語
フィリピンの経済はなぜこんなにも成長見込みがあるのでしょうか?その答えの一つとして公用語が英語という最大の強みがあります。フィリピンはタガログ語やビサヤ語など色々な自国の言語ありますが、国民の9割程度は英語も話します。基本的にバイリンガルなんですね。
フィリピン人が英語を話すようになった背景としては、アメリカの植民地支配を受けた時代があり、そのアメリカから独立後もフィリピン人は英語を公用語で使っていたからです。
フィリピンは、global English 社という会社によるビジネス英語ランキングでなんと世界1位を獲得しています。それ程までに英語が浸透し、綺麗な英語が話せる文化という事ですね。
※ビジネス英語指数は、アメリカ合衆国のGlobalEnglish社が世界各国の労働者を対象に、職場で使用する英語能力を1から10までの10段階で評価したものです。 ビジネス英語指数の順位を見ると、1位はフィリピン(7.95点)で、2位はノルウェー(7.06点)、3位はオランダ(7.03点)という結果でした。
BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)においても、世界の企業のコールセンターをフィリピンに集中しインドを抜き売上世界1位となっています。GAFAのコールセンターもフィリピンに存在します。※IBM+DELL+AT&Tなど
OFW(アウトバウンド)についてもフィリピンはとても強みがあります。その結果、欧米やアジア諸国など、色々な国から企業がフィリピン進出し、各国の方々がフィリピンに駐在しています。前述の人口増加はこの理由も関係しています。また、英語を話せる事により自国の経済が活性になる理由は以下が挙げられます。
- 英語が話せるので出稼ぎでアメリカ、カナダ、中東、シンガポール、香港などで働きその外貨を自国に送金(為替の安定)
- 海外就労者からの送金は国内消費を活発化され経常収支の黒字化に(GDPの1割をまかない3兆円もの資産が不動産に)
- 医者や弁護士といった高所得者として海外で働き送金された外貨で半分程度の資産から不動産を購入
政権・経済
人口ボーナスや英語が公用語など国の成長にとても強い理由がある結果、フィリピン経済は大変な経済成長を遂げています。GDP(国内総生産)は毎年6-8%の成長を記録しており、今後もしばらくは爆伸していくことが予想されています。GDP成長率はコロナ年を除いて成長率6%超え、2022年28位から2050年には19位に(世界ビックファイブ会計事務所pwcグループの統計から)なることが予想されています。ちなみに日本は20年間成長していませんが、こうやって毎年伸びている時代も約50年前にありました。高度経済成長期です。
フィリピンは今まさに高度経済成長期の真っただ中です。
政治や政権では、前職のドゥテルテ大統領がフィリピンを大きく変えました。麻薬に関して非常に厳しい規制をかけ街中の治安を良くし、高度経済成長の促進を促し国中が発展を遂げています。まさに1970年代の日本です。現職のマルコス大統領もこの改革を引き継いでいるものと思われます。投資の格言に『国策に売りなし』という言葉がありますが、『ビルドビルドビルド』を国策としてメトロ線、不動産、空港、マカオを抜く勢いのカジノと建設に力を入れています。
↑建設中のコンドミニアム
↑東南アジア最大級のカジノ『オカダマニラ』
このフィリピンの経済成長と改革は、日本では1975年に当時の田中角栄首相が掲げた「日本列島改造論」と毛細血管計画に似ています。日本全国に高速道路や新幹線などのインフラが整備され、更なる経済成長を促し、バブルに向かって大幅に日本の株価が上昇した流れと類似しています。カジノを沢山建設している点では、すでに今の日本を凌駕しているかもしれません。
経済では、世界銀行が投資に適した国ランキングでフィリピンが第1位となってます。また世界1位です。人口・英語・政権などから投資として世界中から注目を浴びているのがまさに今のフィリピンです。
世界銀行は1945年に設立され、1万以上の職員が世界120ヵ国で業務をしています。世界中の途上国にとって欠かせない資金源、技術援助機関です。
天然資源、マーケット、テクノロジー、人、環境、関係性、フレームワークの要素に注目した結果、全てにおいて優れているのがフィリピンだったわけです。ですので経済は大変成長しています。カジノ・観光産業などで外貨収入が多く経済成長の促進剤になっています。
人間性
フィリピンへの投資理由として、人間性も大きな理由の一つに挙げられます。非常にポジティブな思考、どんな時でもいつでも笑顔な明るさ、皆で助けあう精神、どれをとっても皆が前進できるような人間性がフィリピンに滞在していると感じられます。前向きなゆえ非常に活動的ですし、長時間働く勤勉性など、国の成長においてな必要な要素をフィリピンの国民は生まれながらに持ち合わせています。
人口ボーナス、英語、政権・経済、人間性など、フィリピンへの投資が激熱なのはこの全ての要素をフィリピンという国と国民が持ち合わせているからです。あと40年は成長見込みのフィリピン、今からでもフィリピンへ投資は全然遅くありません。