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マレーシア産後事情②〜絶対必須な手続き〜

近年、マレーシアでは子育てのしやすさや教育環境に注目を集め、子育て世代の移住国としても人気を高めています。実際にマレーシアに暮らしていると、海外駐在員でもなく、マレーシア人との婚姻関係もなく、自分達の意思でマレーシアへ移住されているご家庭を多く目にします。

中にはマレーシアで出産されるご家庭も多くいらっしゃいました。私もその1人です。

今回のコラムでは、前回のコラム[マレーシアの出産事情と産後事情]に続き、自身の経験を基に、[産後の手続き]をご紹介します。これからマレーシアで出産を控えている方、出産を迎えた方、ぜひ参考にしてください。

①出産後、なるべく早く出生証明書を取得しよう!

赤ちゃんが産まれたらマレーシアの役所にマレーシアの出生証明を発行するため申請をします。出生証明を申請・発行する役所は「Jabatan Pendaftaran Negara」 です。

※お昼休み時間前や、閉庁時間ギリギリの場合、対応してくれない事があるので時間にはゆとりを持つと良いでしょう。

【必要な準備物】

・出産した病院の診察券または、母子手帳などの妊娠を証明できるもの

・出産した病院でもらえる、JPN.LM12と呼ばれる「病院の出生証明書」

・出生証明届出用紙の記入と医師のサインをもらう

・日本大使館から取得した英文の婚姻証明書

・両親のパスポートの原本

※生まれてから2週間以内なら発行手数料は無料、遅れると、最大でRM15。当日発行可能。出生証明書を取得したら、至る所で使用するため複数コピーがおすすめです。

②日本の国籍を失う前に出生届を提出しよう!

マレーシアの役所で出生証明書獲得後 、日本の戸籍に登録するために日本大使館にて出生届を提出します。

※出生した日を含め3ヶ月以上経過した場合は、日本国籍を取得出来なくなるため注意です。

【必要な準備物】

・マレーシアの出生証明(原本)

・日本の出生届(出産を担当した医師のサイン必須。)

※大使館へ出生届提出後1カ月ほどで戸籍登録完了するので、日本に直接取得しに行くか、親戚にお願いし戸籍謄本をEMS等で送付してもらいましょう。1週間ほどで届きます!

③赤ちゃんのパスポート作成!

日本の戸籍謄本が入手でき次第、赤ちゃんのパスポート申請をしておく事をお勧めします。

日本から取得した赤ちゃんの名前が記載された戸籍謄本がないと、マレーシアからパスポートの申請は出来ません。パスポートがないと、マレーシアを出国する手続きすら出来ません。そのため、マレーシアの外へいつでも出られる準備として、①〜③までの手続きを済ませておくと安心です。

【必要な準備物】大使館へ直接申請する場合

新・戸籍謄本

一般旅券申請書

申請者のパスポート パスポート写真背景青色

⭐︎2025年3月よりオンラインでも申請可能になりました。オンラインの場合は、オンライン上で撮影またはアップロード可能なので、現物の写真は不要。大使館へ行く必要や書類を揃える必要がないので、とても便利です。

申請後、1カ月程度で日本からマレーシアの大使館にパスポートが届きます。受ける時は、必ず赤ちゃん本人との来庁が必須です。

④赤ちゃんがマレーシアを出国するために必要なビザ

マレーシアでは、パスポートを取得しただけでは、国を出る事は許されません。もう一踏ん張り手続きが続きます。

マレーシアで産まれた赤ちゃんの新規発給された旅券(パスポート)の査証欄は真っさらです。そこで、なぜ外国人が入国印無しにマレーシアにいるのかを理由付けるため、入国管理局でスペシャルビザを取得する必要があります。

※役所の案内標識や申請用紙全て、全てマレー語のため、現地のエージェントに委託し手続きしてもらいました。その際、スペシャルパスを申請する本人=赤ちゃんの同席が必須です。

[必要な準備物】

1、旅券 (マレーシア出国を証明する旅券のeチケットの英訳されたもの)

2、パスポート(滞在ビザを確認するため、家族全員分)

3、マレーシア発行の出生証明書のコピー

以下4〜16は、赤ちゃんが扶養ビザで引き続きマレーシアに滞在する時にも提出を求められますが、同じ書類をスペシャルパス発行時に提示しました。


4、英文出生証明書/英文婚姻証明書/ マレーシアの大使館で発行
5、母親と父親のパスポート所持証明 →マレーシアの大使館で発行可能
6、学生、両親のパスポートコピー
7、学校からのオファーレター(MOEは学校が申請)
8、学費の領収書
9、父親の3カ月分の日本語原本と英訳された銀行取引明細書/残高証明書 60.000RM以上
10、父親の勤務先からの英文就労証明書
11、父親の3カ月分の英文給料明細書
12、コンドミニアムの契約書
1
3、公共料金の領収書と申請者名義人口座からの支払い履歴
14、コンドミニアムのデポジットの支払い明細(送金証明または、家主からの領収書)
15、毎月のコンドミニアムの家賃支払い明細(送金証明または、家主からの領収書)
16、学生と母親、父親を含むコンドの写真(エントランス、玄関前、室内3種類)

スペシャルパスは通常、当日発行されます。ですが、2025年6月時点で手続きをした際、移民局の方針に変更があり、明日かも、来週かも、いつか分からない、、と待たされた挙句、1カ月以上かかりました。

そして、スペシャルパスを取得するため再訪した際には再び新しい旅券の用意が必要です。

我が家は、この急な移民局の変更に振り回され、往復分のフライト代を家族分失いました。。泣

さて、スペシャルパスを獲得出来たら、ビザで許されている滞在期間内に必ずマレーシアを出る必要があります。無事出国した後は、ようやく赤ちゃんは自由に海外を飛び回れる身になれるというわけです。

このスペシャルパスの苦労について、マレーシアで出産された海外駐在員のご家庭に聞いたところ、知らない=無かったようです。羨ましい!!

⑤マレーシアに滞在するために


スペシャルパスを取得した後、期限内にマレーシアを出国しますが、そのままマレーシアに滞在を続けたい場合は、扶養ビザを申請する事が出来ます。

※海外駐在員の方は、赤ちゃんのビザの取得は会社を通す事となりますが、子供の教育移住で学生ビザに付帯して両親もビザを取得しているようなご家庭の場合(我が家)は、下記の手続きが必要です。

[必要な準備物】

1.証明写真 →背景ブルー
2.子供と母親、父親の現地の医療保険証書コピー※日本人エージェントより現地エージェント通した方がほぼ半額。
3.英文出生証明書/英文婚姻証明書/英文戸籍謄本→マレーシアの大使館で発行可能
4.母親と父親のパスポート所持証明 →マレーシアの大使館で発行可能
5.学生、両親のパスポートコピー
6.学校からのオファーレター(MOEは学校が申請)
7.学費の領収書
8.父親の3カ月分の日本語原本と英訳された銀行取引明細書/残高証明書 60.000RM以上
9.父親の勤務先からの英文就労証明書
10.父親の3カ月分の英文給料明細書
11.コンドミニアムの契約書
12.公共料金の領収書と申請者名義人口座からの支払い履歴
13.コンドミニアムのデポジットの支払い明細(送金証明または、家主からの領収書)
14.毎月のコンドミニアムの家賃支払い明細(送金証明または、家主からの領収書)
15.学生と母親、父親を含むコンドの写真(エントランス、玄関前、室内3種類)

、、、書類の多さだけで疲れてしまいますね。

提出書類の内容は、担当者によって少し異なる事もあります。また都度変更もあるので、逐一確認です。家族が既にビザを保有していて、赤ちゃんだけを追加するようであれば2週間程度で取得できます

さいごに

海外駐在員のご家庭では会社が代行して手続きをしてくれたり、両親のいずれかがマレーシア人ですと手続きがそこまで煩雑ではなかったり、両親が外国人のケースとは内容が異なります。

子供の教育を通して家族で移住して暮らしていた我が家の場合では、マレーシアで出産した後の詳しい情報が皆無で、苦労しました。

日本に暮らしている頃は、海外で出産するなんて縁遠いものでしたが、一歩、日本の外で暮らしてみると、世界を飛び回り生活しているご家庭、語学習得のため教育移住をされてるご家庭、海外で暮らす事を夢見て実現されているご家庭に沢山出会いました。

海外の暮らしはキラキラしたものだけではなく、手続きの煩雑さや言葉の壁、文化の壁でかなり苦労が絶えません。そんな時、手軽に検索出来る情報をヒントに助けられる事もありました。

私のマレーシアでの経験が、このコラムを通してマレーシアで過ごされている皆さんの参考になれば嬉しいです。

GISコラム担当 清

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