もう間もなく5月も終わりに近づき、またジメジメのあの季節がやってきますね。そうです、梅雨です。
洗濯物が乾かない上に、癖毛の大敵である湿気、外出の際は服が濡れてしまう等々、個人的にはあまり好きな季節ではないのですが、雨の音はリラックス効果をもたらす様で、勉強や仕事の集中力を上げるだけでなく、睡眠導入にも十分に使えるそうです。窓を開け雨の音に耳を澄ますのも良いのかもしれません。また、湿気があるということは肌にも潤いをもたらします。梅雨は肌にとって最高の状態といえるでしょう。そして梅雨といえば何といっても、あじさいの時期です。あじさいと雨の音、視覚効果とヒーリング効果を存分に体感することができる季節なのかもしれません。
アソビュー株式会社が雨の日のお出かけの悩み事のついて会員を対象にアンケート調査を実施した結果、「雨の日も楽しめるお出かけ先が思いつかない」が最も多くの票を集め、1位となりました。2位は「カッパ、タオル、着替えなど荷物が多くなる」、3位は「移動が大変」という結果となり、雨の日は “お出かけをするまで” の過程に悩みを抱えている人が多くいる事が分かりました。
前述した様に梅雨のメリットも複数ありますが、これらのメリットを私の中では余裕で上回ってしまうのが、傘を刺す鬱陶しさです。どこへ行くにも傘を持つ、傘を刺すという事が本当に嫌いなのですが、大雨の中まさか傘を刺さずに歩くわけにはいかないですよね。雨の日にもし傘がなかったら、予定外のビニール傘をコンビニで買ったり、短い距離なら目的地まで急ぎ足になって、できるだけ濡れないようにしたいと思うのが一般的な日本人の感覚なのではないでしょうか。また、ドラマか何かの悲劇のヒロインでもなければ、ずぶ濡れのまま街を歩いていたら、一体どうしたのだろうと周りの人は気にしますよね。しかし、カナダではこの感覚が全くなかったのです。
一人当たりの傘保有本数は平均3.3本で世界平均を約1本も上回り世界一位です。また、コンビニなどで安くビニール傘が手に入る日本は傘の消費量においてもダントツ世界一位です。自宅に傘が何本も溜まってしまっているという方も多いのではないでしょうか。
バンクーバーの雨季
私が最初にカナダ・バンクーバーに入国したのは12月でした。バンクーバーの冬は雨季にあたり、レインクーバーなんて比喩されるくらいほぼ毎日雨が降っています。にも関わらず、小雨ではなく本降りでもカナダ人は傘を刺してはいないのです。ほとんどの人がパーカーのフードを被るくらいで、結構な雨量という事に気が付いていないんじゃないかというほど軽やかに歩いているのです。私にはこの光景が不思議で仕方ありませんでした。なぜならば、日本での事前情報では、バンクーバーの雨季は傘(折りたたみ傘も)・レインコート・長靴が必須との事だったので、しっかり日本から持参していたのです。しかし、いざダウンタウンを見回すと誰も傘をさしていない、長靴もはいていないのです。特に男性は濡れながら歩く事に全く抵抗がないように感じました。
急に雨が降り出した為、私が鞄から折りたたみ傘を出し当たり前に傘を刺すと、「あなたは何て準備がいいの!!いつも必ず小さい傘を持ち歩いているの?信じられない!素晴らしいね!だけど、本当にあなたは雨に濡れたくないんだね。」と褒められているのかディスられているのか微妙なラインの事をカナダ人の友人から言われたのを覚えています。笑
また、さらに衝撃的だった事は冬でも晴れならば彼らは半袖にダウンベストで街中を歩いているのです。
バンクーバーの12月の最低気温はマイナス2度から5度程度で、最高気温は5度から10度程度となる事が多く、晴れの日は雨や曇りよりも気温が低くなると言われています。なので、最初はきっとスタイリッシュさを重視して痩せ我慢でもしているんだろうなんて思っていたのですが、彼らは決して無理しているわけではなかったのです。
平熱の違い
日本人の平均平熱は36.6〜37.2℃と言われていますが、欧米人の平熱は37〜38℃なんだそうです。
どうりで!というわけです。私が完璧な防寒スタイルでカナダ人の友人との待ち合わせ場所に行くと、「ねぇ、そんなにたくさん着てきて大丈夫??ただでさえ暑そうなのに建物に入ったら暑くてクラクラするよ!」とよく笑われていました。平熱が私たちより高い故に寒さを感じにくく、少し雨に濡れたくらいでは風邪を引かないのかもしれませんね。
傘を刺さない本当の理由??
ここは一度カナダ人の友人に直接明確な理由を聞いてみたくなり、ある日何で雨が降っているのに傘をささないのか尋ねると、「せっかく手ぶらで外出しているのに、傘だけ持ってたら変じゃない?カッコ悪すぎるよ。」と謎の回答をしてきました。笑 また他の友人は「パーティーへ行く時に雨が降ったら嫌だけど、いつもの服と髪の毛なら濡れてもいいの」と言っていました。確かに彼女が言う様に、日本人に比べて日常的にヘアアイロンで髪を巻いたり、スタイリング剤で作り込む髪型の人は少数で、服装も比較的カジュアルでした。そして、すっぴんで街を歩いている女性が日本より遥かに多くいました。また、細くて乾きやすい髪質も、雨が気になりにくい理由の一つなのかもしれません。その他にも、「雨が弱くなるか止むまで、カフェかバーにでもいればいいから傘は不要。」という、なんて時間にゆとりのある素敵な事を言うんだと衝撃を受ける回答もありました。笑
しかし、色々と話を聞いているうちに雨に対して今まで自分が少し神経質過ぎたのかなと思う様になり、(雨が降っていても傘を刺さないカナディアンスタイルに少し憧れてしまったのも事実ですが、、、)私も小雨程度は傘をさすのをやめてみました。結果、濡れて寒さに震える事になるだけだったのですが不思議と雨の中傘を刺さずに歩いているのが心地良かったりもしました。
雨も悪くない?
いえいえ、やはり私は雨も傘も嫌いです。でも、雨や傘に対する捉え方がこんなにも日本人とカナダ人が違うという事が分かり、嫌いな物事に対して、海外ではどう捉えられているのかを知る事で、自分の固定観念を捨てる良いきっかけにはなるかもしれませんね。やはり海外へ視野を広げるのは価値観を変える上で良い事なのではないでしょうか。
とはいえ話は前後しますが、雨対策はしっかりとして、体面と健康を保ち、今年こそは気持ちよく憎き梅雨を乗り切りたいものです。笑