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3000年の眠りから目覚めた「黄金の失われた都市」

エジプト南部、ナイル川の東側の大地に、長い間、砂の下に隠れていた都市がついに姿を現しました。その名は「アテン」。およそ3000年前、古代エジプトの王・アメンホテプ3世の時代に栄えたと言われる都市で、かつて金の採掘によって繁栄を極めていました。

この都市の発見は、あのツタンカーメン王の墓に匹敵すると言われるほど、非常に大きな意味を持つものです。エジプトの考古学チームが調査を重ね、2021年にこの都市を掘り出しました。アテンは「黄金の失われた都市」とも呼ばれ、多くの人々が「まさか本当に見つかるとは」と驚きを隠せませんでした。

都市が見つかったのは、紅海沿岸の町マルサ・アラムから内陸へ行った山あい「ジャバル・スカリ」という場所です。このあたりは、昔から金が採れた場所として知られており、実際に今回の発掘でも、金を取り出すためのさまざまな設備が見つかっています。石を砕くための道具や、水で金を選り分ける装置、金を溶かすためのかまどまでそろっており、当時の技術の高さに驚かされます。

都市の保存状態も素晴らしく、家や神殿、作業場、行政の建物、さらにはお風呂まで、ほとんど元のまま残っていました。都市に暮らしていた人々の日常がそのまま残っているようで、まるで時間が止まっていたかのようです。

特に興味深いのが、「オストラコン」と呼ばれる陶器のかけらで、そこに文字がたくさん書かれていました。文字は古代エジプトの象形文字(ヒエログリフ)だけでなく、庶民の使っていた簡略文字や、ギリシャ語も含まれていました。つまりこの都市は、いろいろな文化や言語をもつ人々が集まって暮らしていた、多様な場所だったことがわかります。

他にも、青銅のコイン、小さな神様の像、香水のびんや化粧品入れ、アクセサリー、貝殻の飾りなど、たくさんの品々が発掘されました。これらの品々からは、当時の人々の暮らしぶりや、信仰、文化がよく伝わってきます。

発掘を指揮した有名な考古学者ザヒ・ハワス氏は、「数週間のうちに、泥で作られた家々が次々と姿を現し、まるで3000年前の都市がそのままよみがえったようだった」と語っています。

この遺跡を守るために、エジプト政府は修復と保存作業を慎重に進めています。また、近くにある現代の採掘場からの影響を避けるため、一部の建物は安全な場所へ移されました。さらに、6エーカー(約2.4ヘクタール)にわたる当時の鉱山キャンプのレプリカも作られ、観光客向けの展示施設では、金の採掘のようすや出土品を見られるようになっています。

この都市の発見は、単なる歴史的な成果にとどまらず、エジプトという国の魅力を再発見し、新たな可能性を広げるきっかけとなっています。

近年、エジプトでは歴史遺産を活かした都市再生や観光インフラの整備が進んでおり、不動産市場にも注目が集まっています。とくにルクソールや紅海沿岸地域などでは、歴史と自然、そして観光需要を背景に、住宅や商業物件の価値が着実に上昇しています。

アテンのような発見が続けば続くほど、世界中からの関心はさらに高まり、観光業や関連ビジネスへの投資機会も拡大していくでしょう。古代の遺産と未来の可能性が交差するこの地で、不動産を通じてエジプトという国に関わることは、非常に魅力的な選択肢のひとつです。

「3000年の眠りから目覚めた都市」が語りかけてくるのは、過去の栄光だけではありません。それは、これから訪れる新たなチャンスの到来をも告げているのです。

G.I.Sコンテンツ担当 鎌倉

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