
日本で15年連続、移住先No. 1で人気を誇るマレーシア。
芸能人のガクトさんが暮らしている事でも有名な国ですが、今年の夏からは子育て中のママとしても有名な優木まおみさんも教育移住をスタートさせた国としても注目されました。
さて、教育移住先として人気を誇るマレーシアですが、マレーシアの出産事情はいかがなものでしょうか。
今回のコラムでは、マレーシアのクアラルンプールでの出産体験をもとに、2025年最新出産事情をご紹介します。
マレーシアの出産は無痛分娩が主流?

日本の無痛分娩率はというと、2020年時点で8.6%、2023年には東京で約30%、千葉・神奈川で約20%、岡山では約15%と徐々に浸透し、更に今年には東京都で無痛分娩助成金がスタートしました。
世界に目を向けると、2019年時点で、フランス(82.2%)、アメリカ(73.1%)、イギリス(60%)、韓国(60%)。そしてフィンランドではなんと、既に89%!

日本では、金額が高い、産院が限定される、周囲ではまだ当たり前ではない理由から、他の先進国に比べ、まだ無痛分娩率が低いようです。
さてマレーシアでは、ペナンやクアラルンプールといった都心では特に無痛分娩が主流です。私のお世話になったクアラルンプールの総合病院でも、無痛分娩が当たり前でした。
普通分娩について質問してみると、「あえて希望するなら出来るけど、何故無痛分娩にしない理由があるの?」といった回答。
出産費用の案内にも元から無痛分娩価格が含まれている形で、普通分娩を選択した場合は麻酔師と麻酔代の手配が省ける分が安くなるものの、わざわざ省く人はいないとのことでした。
さてその気になる価格は、無痛分娩12.000RM〜(約42万〜当時の35円/1RM)、 帝王切開〜 15.000RM〜(約52万〜)。
この費用の内訳には、無痛分娩に必要となる全ての出産費用、3食の食事、個室での入院費、お祝いグッズや夫婦分のお祝い膳が含まれていました。さらにプロモーションで出産費用から20%ディスカウントのクーポンまで。となると、上記の価格から更にお安くなるのでビックリです。
日本と比較しても既に破格ですが、実はこれはマレーシアでは高い方との事。公立病院だと、なんと無痛分娩が8,000RM〜(約28万〜)というので、驚きです。
マレーシアでは無痛分娩の医療体制も整っており、質の良さとコスパ良さで私も迷う事なく無痛分娩を選択しました。
マレーシアの医療環境、医師はどんな感じ?

私立の総合病院では各診療科目にマレーシアでも屈指の経験豊富な専門医が数多く在籍し、イギリスや海外の大学で学位や医師免許を取得している医師がほとんどです。医師も、患者さんも国籍が様々で、マレーシアらしい多様性があります。
3Dエコーの写真もかなりリアルで設備も新しいです。

私の担当医はインド人の女医さんで、エコー写真を毎回印刷してくれました。同じ病院でも、医師によっては3Dエコー写真を頂けないケースや淡々とした質問しずらい雰囲気もあったりと様々です。
その場合は、途中で担当医師の変更も気まずい事なく可能です!
その他にも、出産に向けて様々な専門医にお世話になりました。
循環器内科の中華系の医師は、とにかくニコニコポジティブな先生で、私の不安や心配を毎回払拭してくれるエネルギッシュな先生でした。
小児科の中華系マレーの先生は、なんと5人のパパで、健診ごとに娘を毎回抱っこしてあやして、娘とのお話タイムを作ってくれる愛情溢れる先生だったり。
医療スキルのプロフェッショナルさはもちろんのこと、内面もハートフルな頼もしい先生方ばかりでした。
そして、マレーシアの私立病院には、通訳が常駐しているところも多いです。そのため健診時は、通訳さんが毎回同席してくれました。
しかも、日本に提出する書類の翻訳も、通訳も全て無料という驚きのサービス。医療用語は理解も複雑ですし、誤解は禁物のため、通訳者がいるということは、日本人にとってもかなり安心な環境です。
但し出産日当日や緊急外来時間は、通訳は不在です。そのため出産日は、、、自力で頑張る必要があります!!
日本と違う妊婦検診内とは

健診頻度は最初は日本と大差なく4週間から1ヶ月毎、24週から35週は2週間毎、36週以降は週毎と日本と大差ありません。毎回の健診は300〜500RM(為替レートによりけり1万から2万円程度)。カルシウムや鉄分、マグネシウム、葉酸など毎回の健診ごとに内容と量を調整して処方していただけたので、サプリメント込みと思えば高くない健診費用です。
日本との違いといえば、マレーシアでは35歳以上からは高齢者出産にあたるとのことで出生前健診、染色体遺伝子検査NIPTが必須です。受けなくても良いか聞いたものの、「高齢出産だから」の一点張りで、高齢出産という自覚をさせられた瞬間でした(´-`)
NIPT検査にもオプションが沢山ありましたが、「検査項目を増やしすぎると、違う反応が出る事もあって心配の種になるだけだから標準項目だけでよい。」とのことで2000RM(約7万)、標準項目といえど、13項目の検査内容と性別も知る事が出来ます。14週目で検査をし、10日ほどで結果が出ました。
妊娠中の検査内容は日本もマレーシアもほとんど同じでしたが、唯一日本にはない検査に、妊娠糖尿病チェックの糖負荷検査があります。激甘のシロップを飲んだあと、血糖値を調べるというシンプルな内容。とにかくシロップが激甘なので、無心の一気飲みがおすすめです!
病院によっては、検査をスキップする事もできたりするので、何でもまず確認です!
病室と病院食は

基本的には写真のような個室です。個室もグレードが様々ですが、赤ちゃと同じフロアの個室に自動的に割り当てられますが、空きがあり希望すれば大部屋や、ハイグレードの個室を選ぶ事も可能です。
トイレ、シャワー、ソファーベッド、テレビ付で7000円程度なので、個室を選んだとしても高すぎずコスパ良しです。掃除も毎日、眺望も良しで、言うことなしです!
病院食は、多国籍、他宗教ならでは、写真のようにメニューが複数あり3食分選ぶ事ができます。それとは別に、3時のおやつタイムと寝る前にもクラッカーやココアなどの軽食も提供されます。子供達がお見舞いに来た時には、お菓子を追加でくれたりもしました。


マレーシア出産を決意した理由

無痛分娩の実績と、全体のコスパ良さ、1年中温暖な気候の良さ、理由は沢山ありますが、なによりの決め手は、マレーシアの雰囲そのものでした。
「何も心配ない、大丈夫、安心して」といつも笑顔で自信持っている医師達。街では、初めて会う人でも誰もがフレンドリーな明るい雰囲気。困った事があれば当たり前に手を差し伸べてくれる人の温かさ。
実は私自身、心臓の持病、妊娠時子宮筋腫7センチ発覚、高齢出産と、、なかなか心配の尽きないマタニティライフの幕開けでしたが、マレーシアのポジティブな雰囲気が、不安なんてものを全て払拭させてくれて、初の海外出産を迷いなく後押ししてくれました。
そして、最後までそのマレーシアの雰囲気の良さに、涙あり笑いありで支えてもらいました。
マレーシア出産はいかに、、
出産当日は通訳を入れる事は不可のため、医療の場での言葉の壁がどうなっていくのか唯一懸念でしたが、そんな心配をよそに、あまりにフレンドリーな看護師さんと助産師さんの存在のおかげで、当日の言葉の壁は不思議と皆無でした。
大体の事がどうにかなってしまう風潮も、マレーシアらしさだったりします!
そして、出産当日の人員体制は、看護師さんや助産師さん7人程。
「私以外に他に出産控えているの」と聞くと「今日はあなたの赤ちゃんだけ!スペシャルデーだね」との事。まさかの7人に対して患者1人という手厚さにも驚きでした。
初の無痛分娩、初の海外出産、7人の助産師さんと看護師さん、そして1人の医師、合計8人に囲まれた末、、、
過去1番の安産で、可愛い赤ちゃんが誕生(TT)!15歳未満の子供入室は不可とされていたにも関わらず、産後2〜3時間後には上の子供たち大興奮で登場!
産後とは思えない賑やかさでしたが、面会、抱っこと、喜びと感動の瞬間でした。

※15歳未満は入室不可と聞いていましたが、確認してみると大丈夫でした。マレーシアは、確認してみると聞いてた情報と違う事や融通効く事が多かったりします。そのため、なんでも逐一確認です!
出産日はチャイニーズイヤー中だったため、深夜中花火が騒がしく、日中は院内ライオンダンスで騒がしく、かなり賑やかでした。それもまた、印象深く思い出深いものとなりました。


出産は命に関わる一大イベントです。終始、温かい雰囲気で支えてくれた医師や通訳さん、いつも前向きな気持ちで背中をおしてくれるマレーシアの環境そのものに、感謝でいっぱいです。
出産までは、マレーシアを選んで大正解!でしたが、さてその後はいかに、、
次のコラムでは、マレーシアの産後事情をご紹介したいと思います。
GISコラム担当 清